12月30日、もう何年も応援しているバーチャルアイドルグループ、Palette Projectの3回目のワンマンライブに行ってきた。
ライブとしては、トラブルがありつつも熱量でカバーして突き進む、実にパレプロらしい楽しいものだった。
しかしそのステージに、自分が一番好きな存在はいなかった。
2023年の1月をもって、パレプロから神菜コハネさんが卒業した。
キリリとした目元、癒やしを届ける声と仕草、メリハリの効いたパフォーマンスで、僕を虜にしてくれた、心から”推し”と呼べる存在だった。
もちろん、彼女がパレプロに加入する前からパレプロは知っていたし、好きで追っていたが、コハネ先生の加入が自分の中の炉に火を入れたように思う。
そこからはあっという間の3年間だった。
毎月のようにグッズを買い、配信が開始されればすぐ視聴し、たくさんの応援のコメントやツイートをしてきた。
Palette Projectのライブでは一緒にチェキを撮ってもらい、同じく彼女のファンである人々と積極的に交流し(人間嫌いの自分からは考えられない行動だ)、応援イラストを依頼して書いてもらい、1対1でのトーク会に数え切れないくらい参加した。
神菜コハネという存在が自分の生活に組み込まれた。
そして、彼女は去った。
コハネ先生は最後までコハネ先生らしく、しんみりすることなく、ちょっと散歩に出るかのように、ふんわりと、やさしく、去った。
自分の生活は大きくは変わらず、パレプロの配信は見るし、ふとした瞬間に彼女のことを考える。
しかしコハネ先生はツイートをせず、ふぁぼも飛んでくることなく、グッズも途絶えてしまった。
自分の周りにいた同じファンたちは、一人また一人と消えていき、なんだかバラバラになってしまった。
トーク会で「もうすぐ引っ越すんだけど部屋の内装どういうカラーリングにしようか」なんて話をしたけれど、見せずじまいになったし、彼女の所属していたユニットは名前を変更してしまった。
神菜コハネという人物を作り出してくれたPalette Projectは変わらず好きなままだが、今までのような熱意で追うことはできなくなってしまった。
それでも12月、彼女不在のライブに赴き、2時間以上ペンライトを振り、精いっぱいの応援をして、心から楽しんできた。
吹っ切れた、わけではないと思う。
でも、彼女がまだもしいるとするならば、イベントごとには全力で臨んでほしいと思うはずだし、それが彼女の所属していたグループなら尚更だろうと考えたのだ。
推しがいなくなったことでグループを応援しなくなる、そういう気持ちもよくわかる。
実際、大きな痛みを感じるくらいによくわかる。
それでも前を向いて進むしかない、そういう歌を、歌ってくれる人たちだ。
自分は、自分だけになったとしても、これからもPalette Projectを応援していこうと思う。
以下、雑記。
・パレプロ3rdワンマン、良かったね…。トラブルがありつつもよくやり切ってくれたと思う。今年はあまり他人と交流できなかったものの(やはり自分はコミュニケーションに問題がある)、ペンライトで会場を照らし、メタルな曲で頭を振っていると、ああ、楽しいなと思えるからとてもよい。実に単純なものである。
・神菜コハネさんがいた頃の楽曲で、卒業以来歌われなかった”夢堕ち”をセットリストに組み込んでくれたのも良かった。封印するには勿体ない完成度を誇る、闇を切り裂くダークなポップだ。
・7人でのステージもすっかり板についていて、フォーメーションも綺麗で見応えがあった。自分は今も”7人組バーチャルアイドル”という表記にダメージを受けてしまうのだけど。
・果たして自分はいい”推し活”をできているだろうか、できていただろうか、と考える日が多くなっている。考えたところで出口のない問いだし、答えを見つけられたとしてもそれを使うところはないのだけど。でも近いところにいるファンの方たちには、ちょうどよい反面教師として使っていただき、存分に楽しんで”推し活”をしてほしいところだ。トーク会に参加しろ!リプライを送れ!ハッシュタグをつけろ!それが言いたいがためのこの文章だ!
・たぶん、おそらくだけど、これから何年もした後にふと彼女の名前を呼んで、懐かしい気持ちになることがあるんだろうなと思う。その時まで楽しく、できるだけ明るく、地上での生活を送りたいね。ごきげんよう。
・追記:13年モノのTwitterのアカウントは凍結されるし、推しは卒業するし、平地の家からは引っ越すことになるし、ひでえ1年だったわ。2024年は頼むぜ。